朝9時からオープニングセレモニー。
会場を一回りして、だいたいの様子を見てから、独り宿へ帰る。街中に、電動スクーターが放置してあって、どうやら好きなところで乗って、好きなところで乗り捨てて良いようだ。乗ってみたかったので、さっそくこの機会にチャレンジ。スマホでスクーターのQRコードを読んで、クレジットカード支払い。自転車扱いらしい。気持ちよく走っていたけど、いきなりスピードが落ちた。ホテルに帰って、スクーターを乗り捨てて調べてみると、忙しい街中では勝手に最高速度が落ちるらしい。いろいろうまくできてますね。
気になるお値段は、1キロ乗って4.5ドル。。。これは。。。ナシだな。
宿に帰って何をやっていたかというと。。。後日談なので話せますが。
オイスティン・バーズビックとの共演の楽譜の準備。
実は、今回ITECに参加できることになった大きなきっかけというのが、バーズビック氏の大きな後押しだったのです。「参加した方がいい。このようにプレゼンしたら良い」ということから「プレゼンのビデオはこうした方が良い」というような具体的なアドバイスまで。とあるピアニストさんを介してそんなやりとりをしているうちに渡米1ヵ月くらい前に「共演したら良いんじゃないの?」ということになりました。
それで、ぼくから個人的にメッセージを出したのだけど、返信が来ず。Facebookアーティストページにメッセージをしたのだけれど、既読にもならず。「ああ、今回はご縁がなかったんだな。でも十分アドバイスいただいたし。」と諦めてITECに来ていたのです。
それが、昨日、急転直下!バーズビック氏から連絡がきて、アーティストページのメッセージなんてなかなかチェックしないごめんよみたいな言葉から始まり、じゃあ、やりましょう!みたいになったのです。アイデアちょうだい!って。
アイデアちょうだいの具体的にどうやったら共演できるかというのを、今から練って楽譜にしないといけないのです。なるべく早く。
ということで、部屋にこもって楽曲「Fnugg」の分析。
構成は「イントロ」「A」「A」「B」「C」「D」「D」「パーカッシブソロ」「A」でフリーソロ「B」でリズムのキメ「C」からメロディに戻ってきて「D」「D」で終わり。が解るまでえらく時間がかかってしまった。だって、どのYouTubeを見ても全部寸法が違うんですもの。
では、これを楽譜にする作業。パソコン持ってきてないし、Finale持ってないし、五線紙もないし。。。五線紙テンプレートをダウンロードして、楽譜閲覧ソフトで音符を書き込んで、その他は手書きで書き込みました。いわゆるリードシートというやつで、これがあれば自由にセッションができると。それをチューバマンとバーズビック氏に送って完成!
夕方に小久保まいさんのリサイタルがあったので、それに間に合うように大学に戻る。
新作発表の演奏、素晴らしかった。
ジャズコンクールなんかも見たりして。今だから言えるけど、じぇんじぇんポイントが抑えられてなくて面白い。後ろのホストバンドのみなさんの困惑の様子がよくわかる。そう。きっとぼくもこうだったんだろうなあ。
からの、巨大なホールへ移動してイブニングコンサートへ。
ドイツからすごいのが来る!ということで楽しみにしてました。すごかった。
コンクールの授賞式ではプレゼンターに小久保さんが登場。マイクの位置が合わずにつま先立ちをしていてサイコー。このあたりからどうも涙腺が緩みだし。
ノーステキサスのカルテットが受賞したり、それをプレゼンしているのが、同級生だったりとだんだん胸が熱くなってきたところにコレ!
歴代の主催者バンド。主催者ということは、大学の先生もしくはそれなりのレジェンドなのですが、これがすごかった。個人的な持論です。音楽家はお金や名声を求めるのを超えて、人にどんどん与えるようになると、音から得も言われぬ成分が出てくるようになる。耳に聴こえる。感じる。一番初めにそれがわかったのは、ノーステキサス大学にボブ・ブルックマイヤーが来て演奏を聴いたとき。「ああ、この人は自分に残された時間がもう少ないのがわかってて、自分の持っているものを人に託して死んでいこうとしているんだな」というのが音から伝わってきて涙が出た。
この大会は人のためにボランティアで尽くすことで成り立っていて、主催者は相当な時間と労力をかけて運営していて。それを今までやってきた人たちの集まりから出る音というのは、与える側の人の成分のカーテンのようで。いやー。まいった。浴びた。
ところが、まだ夜はこれでは終わらず。ホテルに帰ったらDavid Bandmanのジャズライブ。
コロナ禍の真っ最中に、アメリカで開催されたオンライン講義を日本語に翻訳するというお仕事をいただいたことがあり、そんな中に、彼のジャズ講義がありました。興味を持って調べてみたらノーステキサスの1O’clockバンドの人だということがわかり。動画を見まくっていたんですが。すさまじい。後ろのホストバンドの人も、昼間とは人が違ったように生き生きしていて。ギターの人立ち上がってるし。終演後、話しかけるも、この人の喋り方はべらんめえ調で、必ず皮肉のようなものが入るので理解して返すのに少し時間とエネルギーが必要であった。