ITEC2023@アリゾナ州立大学3/7 Day1

朝9時からオープニングセレモニー。

どこを向いても「あの有名な人誰だっけ?」状態
ヤマハのブースもチェック。いつもお世話になっているエンジニアさんに会えてほっとする。
話題の新製品!

会場を一回りして、だいたいの様子を見てから、独り宿へ帰る。街中に、電動スクーターが放置してあって、どうやら好きなところで乗って、好きなところで乗り捨てて良いようだ。乗ってみたかったので、さっそくこの機会にチャレンジ。スマホでスクーターのQRコードを読んで、クレジットカード支払い。自転車扱いらしい。気持ちよく走っていたけど、いきなりスピードが落ちた。ホテルに帰って、スクーターを乗り捨てて調べてみると、忙しい街中では勝手に最高速度が落ちるらしい。いろいろうまくできてますね。

電動スクーターBirdも乗ってみる

気になるお値段は、1キロ乗って4.5ドル。。。これは。。。ナシだな。

宿に帰って何をやっていたかというと。。。後日談なので話せますが。
オイスティン・バーズビックとの共演の楽譜の準備。

実は、今回ITECに参加できることになった大きなきっかけというのが、バーズビック氏の大きな後押しだったのです。「参加した方がいい。このようにプレゼンしたら良い」ということから「プレゼンのビデオはこうした方が良い」というような具体的なアドバイスまで。とあるピアニストさんを介してそんなやりとりをしているうちに渡米1ヵ月くらい前に「共演したら良いんじゃないの?」ということになりました。
それで、ぼくから個人的にメッセージを出したのだけど、返信が来ず。Facebookアーティストページにメッセージをしたのだけれど、既読にもならず。「ああ、今回はご縁がなかったんだな。でも十分アドバイスいただいたし。」と諦めてITECに来ていたのです。

それが、昨日、急転直下!バーズビック氏から連絡がきて、アーティストページのメッセージなんてなかなかチェックしないごめんよみたいな言葉から始まり、じゃあ、やりましょう!みたいになったのです。アイデアちょうだい!って。

アイデアちょうだいの具体的にどうやったら共演できるかというのを、今から練って楽譜にしないといけないのです。なるべく早く。

ということで、部屋にこもって楽曲「Fnugg」の分析。
構成は「イントロ」「A」「A」「B」「C」「D」「D」「パーカッシブソロ」「A」でフリーソロ「B」でリズムのキメ「C」からメロディに戻ってきて「D」「D」で終わり。が解るまでえらく時間がかかってしまった。だって、どのYouTubeを見ても全部寸法が違うんですもの。

では、これを楽譜にする作業。パソコン持ってきてないし、Finale持ってないし、五線紙もないし。。。五線紙テンプレートをダウンロードして、楽譜閲覧ソフトで音符を書き込んで、その他は手書きで書き込みました。いわゆるリードシートというやつで、これがあれば自由にセッションができると。それをチューバマンとバーズビック氏に送って完成!

夕方に小久保まいさんのリサイタルがあったので、それに間に合うように大学に戻る。

TS5の衣装で登場すると会場が沸き立ちました

新作発表の演奏、素晴らしかった。

Jazzコンクール

ジャズコンクールなんかも見たりして。今だから言えるけど、じぇんじぇんポイントが抑えられてなくて面白い。後ろのホストバンドのみなさんの困惑の様子がよくわかる。そう。きっとぼくもこうだったんだろうなあ。

からの、巨大なホールへ移動してイブニングコンサートへ。

ドイツからすごいのが来る!ということで楽しみにしてました。すごかった。

コンクールの授賞式ではプレゼンターに小久保さんが登場。マイクの位置が合わずにつま先立ちをしていてサイコー。このあたりからどうも涙腺が緩みだし。

運営側で大活躍のジェイミーはぼくが在学中の盟友

ノーステキサスのカルテットが受賞したり、それをプレゼンしているのが、同級生だったりとだんだん胸が熱くなってきたところにコレ!

歴代の主催者バンド!

歴代の主催者バンド。主催者ということは、大学の先生もしくはそれなりのレジェンドなのですが、これがすごかった。個人的な持論です。音楽家はお金や名声を求めるのを超えて、人にどんどん与えるようになると、音から得も言われぬ成分が出てくるようになる。耳に聴こえる。感じる。一番初めにそれがわかったのは、ノーステキサス大学にボブ・ブルックマイヤーが来て演奏を聴いたとき。「ああ、この人は自分に残された時間がもう少ないのがわかってて、自分の持っているものを人に託して死んでいこうとしているんだな」というのが音から伝わってきて涙が出た。

この大会は人のためにボランティアで尽くすことで成り立っていて、主催者は相当な時間と労力をかけて運営していて。それを今までやってきた人たちの集まりから出る音というのは、与える側の人の成分のカーテンのようで。いやー。まいった。浴びた。

ところが、まだ夜はこれでは終わらず。ホテルに帰ったらDavid Bandmanのジャズライブ。

コロナ禍の真っ最中に、アメリカで開催されたオンライン講義を日本語に翻訳するというお仕事をいただいたことがあり、そんな中に、彼のジャズ講義がありました。興味を持って調べてみたらノーステキサスの1O’clockバンドの人だということがわかり。動画を見まくっていたんですが。すさまじい。後ろのホストバンドの人も、昼間とは人が違ったように生き生きしていて。ギターの人立ち上がってるし。終演後、話しかけるも、この人の喋り方はべらんめえ調で、必ず皮肉のようなものが入るので理解して返すのに少し時間とエネルギーが必要であった。

ITEC2023@アリゾナ州立大学2/7

ロスアンゼルス空港に到着。入国審査。
実はコロナの間、英語のテレビ番組をたくさん見ていた。ほとんど日本語のテレビは見ていなかった。おかげで随分と(下手したら留学中より)リスニングが良くなったのだけど、そのテレビ番組の中に「緊急!入国審査官24時!」みたいな番組があって、誰かが入国を断られたりとっ捕まったり、罰金を払わされたり、そのまま送り返されたりというのをずっと見ていたのです。他人事として。でも、今回は、それがまるっきり自分のことになり、随分緊張してしまった。滞在先や目的などを証明する書類なんかを準備してそれなりの対処はしていたつもりなのだけど、「勤め先は?」と聞かれてとっさに英語で出てこず、しどろもどろに。

それでも問題なく、審査を通り、荷物をピックアップして乗り継ぎ。ターミナルビルを出るといきなりホームレスがいたりして、アメリカに来たのだなと実感。そして、寒いじゃないか。

アメリカンエアラインの乗り継ぎターミナルへ移動。また手荷物検査。手荷物にはウィスキーボトルと炭酸水。「あ、しまったな」と思い「ウィスキーあります」と申告したものの、そちらは問題にされず、炭酸水が没収されてしまった。これは痛くもかゆくもないのでノーカウント。(後で「炭酸」が問題なのだとわかる。こういうのはあらかじめ調べたりしない。調べても絶対落ち度があるから。)

乗り継ぎをして、いよいよフェニックス空港へ。

いきなり景色が違ってびっくり。

ここで3時間ほど時間をつぶしてチューバマンの到着を待つ。楽器は「ガコーン!」と音を立てて落ちてきた。
https://youtu.be/isYZ0IQ4yRE

これがまた、ターミナルが違うわ、JALとユナイテッドのコードシェア便で、調べ方がややこしいわで随分と右往左往した。

外に出てみたら暑い!

ターミナル間を行き来する無人のスカイトレインは楽しかった。チューバマンの到着ターミナルに着いたら、こんどは到着ゲートを特定する。いろいろ調べているうちに、チューバマンの到着の少し前にダラスフォートワース空港からの便があるのを発見。「これはひょっとしてUNTの人たちが乗ってくるのではないか」と思って、待ち構えるも、楽器を持った人は誰一人として降りてこなかった。そうか。ちょっと違ったかな。

ここから出てくるはず


そして、チューバマンが降りてきました。
ゲートを出てから荷物をピックアップするという、ちょっと変わったシステムでした。
https://youtu.be/fPQ5S0MciUg
感動の再開!でもこれ、実はテイクツー。この再現性の高さ。

空港の案内のお姉さまに、「ホテルにピックアップをお願いしたいのだが電話はどこか?」と聞くと親切にもそこから直接電話をしてくれた。

「15分ほどで迎えがくるから」と聞き、素直に待つも30分後に来る当たり「そうそう、こういうのは全部信用してはいけない」と思い出す。

無事に宿にチェックインすると「カードで決済ができてないわョ」と言われて焦るも、その場で決済が完了。

これから2人で過ごす部屋はツイン。じつはここに決まるまで、ダブルの部屋しか空いていなかった。というか、検索システムに瑕疵があって、公式ページから「ITEC割引4日チェックアウト」で検索するとこの部屋が出てこないのでした。それがわかるまでに、ものすごく手間と時間がかかった。

「なんか、アリゾナ州立大学ってここから随分と離れてて、そこの近くにもう一つ同じホテルがあるんだけど、そっちじゃないの?」と言われ、真っ青になって「そんなはずはない」と調べ直し、やはりここが正解であると確信する。「やっぱりここで合ってます。ここで正解です。」と絞り出すまで15分。生きた心地せず。

気を取り直して、アリゾナ州立大学へ。チューバマンが既に方角を理解し、ずんずん進んでいく。15分歩いて大学に到着し、今、何が行われているのか、先に到着しているJAPAN人にメッセージを送りながらウロウロと歩き回ってきたら、出会いました。

小久保さんと山本くん

今まさに、コンクールの1次の結果発表中だそうで、現場に駆け付けると!

この後ろ姿は、まさしくドクターボーマンでした。

ここでいろんな日本人に出会いホッとする。
そして、会場を後にしてスーパーへ。

アメリカは街によって蒸留酒が売っている街と、ビールとワインまでしかない街とあり、ここはどっちだろうか。と戦々恐々としていたのだけど、歩く途中で「Liquor」の文字を見つけていたのです。デカいの買い込みました。そして、サンドイッチセットも。インフレ真っ最中のアメリカ。円安真っ最中のJAPAN。外食はなるべく控えて、部屋でサンドイッチを作る作戦です。

真夜中のライブ配信をして就寝。