岡山駅列車ホテルの思い出

列車ホテルに泊まるという、特殊な経験をしたことがあるのに、過去のブログに書いていない。なぜ、こんなイベントを書き残していないのか、当時のことをいろいろと調べていたら思い出した。
翌日には名古屋でライブがあり、帰れるか帰ることができないか解らないという状況を、面白おかしく残しておくのはやめておこうと判断したのでした。
忘備録として書き残します。

2018年9月4日。熊本でのお仕事を終えて、いつものように最終の飛行機で帰るところ、「非常に強い勢力」である台風21号が近づいており、昼過ぎの時点であっさりと欠航になってしまった。
ならば、まだ動いている新幹線で帰ろうと、熊本駅から新幹線さくらに乗る。
大阪で乗り換えて名古屋まで帰ることができるという計画。

これがまだ明るいうち、18:00くらいのことだったと思う。

しかし新幹線で移動するうちに、台風がどんどん近づいてきており、移動中の新幹線の中で「岡山から先は運航中止です」とのアナウンスがあった。

「えっ!帰れない?」と、慌てて情報を検索すると、在来線はかろうじて姫路まで動いているらしい。

「よし、それならば、今晩は姫路に宿泊だ」と、急いで現地の宿を探してネット上で予約をした。
おそらく同じ動きをしている人がたくさんいるはずで、現に残りの部屋数は少なく、これは早い者勝ちだろうと思った。

「今晩の宿はなんとか確保できた。明日の朝、また残りの移動手段を考えよう。」

ところが、岡山へ近づくにつれ「在来線もストップした」とのアナウンスが。
つい先ほど予約したばかりの宿は、キャンセルするも、当日のキャンセルなので、全額戻ってこなかった。

岡山駅へ到着したのが20:00頃だったかと思う。
そのまま新幹線は待機状態。空調などは効いており、快適ではある。

22:00頃「お休みいただけます列車を準備しています」というアナウンスがあった。

「え?新幹線で寝るの?それなら、待合室の方が良いんじゃないの?」と思ったが、どうもこれは、ちまたでは「列車ホテル」と呼ばれる珍しい現象なのだということが解り、しかも、用意される車両がグリーン車であることも判明して、鉄ちゃんから羨ましがられるような宿泊体験をすることになった。

しばらくして反対側のホームに別の新幹線がやってきた。
すぐに乗り移れたわけではなく、1時間くらい待っていたと思う。

ようやく、列車ホテルに移動できたのは、23:00頃ではなかっただろうか。

荷物が多いわたしの定位置である、最後部の席を確保。

幸い、人は少なく快適に過ごせそうだ。
と、一通り落ち着いたタイミングで、パンとお茶の配給があった。
現物の写真がコレ!


「ここここ、これは!」
「ありがたいけど、チョー寂しい!」

ホームの売店はとっくに閉店しており「チューハイ呑みながら、またとない機会を楽しむ」なんてことはできなそうだ。

他の乗客も、ほとんど諦めたように、しおらしく配給を受け取っている。

と、普通ならこれで朝を待つことになるのだろうけど、普段から世の中を斜めから見るクセがついているぼくは。。。

「あれ?これって、別に新幹線の中でおとなしくしてなくても良いんじゃないの?」と気が付いてしまった。
さっさと改札へ向かい、駅員さんに「ちょっとコンビニに行きたいんですけど、出てもいいですか?」と尋ねると、あっさりと「いいですよ。」と返答が。

幸い、岡山駅前はまだ雨は降り始める前。
翼を得て自由になったわたくしは、コンビニで地酒とおつまみをたっぷり。たっぷりと買い込んで改札に帰ってきて、駅員さんに会釈すると、切符のチェックも何もなくまた列車ホテルへ乗り込んだのであります。(本当は、居酒屋に入って、1人、フィーバーしようかと思っていたのだけど、時間が遅く、さすがに開いている店がなかった)

従順に、パンとお茶で過ごしている他の人には気の毒だけど、独り楽しくやらせていただきました。というお話でした。

翌朝、始発の時間には新幹線は動き出し、無事に帰ることができましたとさ。